「キョンくーん!おーい!」
「え?」
今日は珍しくキョンと二人で下校してた。
二人、っていうのは久しぶりだったからちょっと嬉しかった。
そんな時だった。
全然知らない女がキョンの名前を呼んだのは。
「あれ、なんでこっち来てるんだ?」
キョンはよく相手を知ってるのか、凄く気軽に返した。
「ちょっとね、渡したいものがあってさ。」
だんだん近寄ってくると、どんな人かはっきり見えてきた。
一言で言うと。
みくるちゃん程じゃないけど、美人だった。
制服は隣の市の公立のもの。
長い髪をキョンの好みのポニーテールにして、
キョンより少し低いくらいの、女子にしては長身。
こんな知り合いいるなんて、知らなかった。
誰?
いやなきぶんになる。
その時。
「あ、その子がいつも言ってる涼宮さん?」
「あ?うん。」
突然名前を呼ばれ驚いて顔をあげた。
「!すっごい美少女じゃない!やるわねキョン君!」
「…言い方おばさんだぞ。」
なんか褒められた。
悪い気はしないけどね。
…別にキョンとはなんでもなさそう…みたいね。
安心してる、とかそんなんじゃないわよ?!
「あはは、ごめんごめん。とりあえずこれ、渡しとくね。」
「お、サンキュ。手作り?」
「まあね。」
…!
そこで渡されたのは…やっぱりバレンタインチョコ…だった。
しかも…手作りって。
また不安になる。
「気合い入ってるな。今年こそ渡せたらいいなー。」
「…渡すわよ。今年こそ。」
「うん、頑張れよ。」
「ありがと。じゃね。
「ん、またな。」
…………あれ?
今の会話って…。
手を振りながら彼女が言ってしまったあと。
やっぱり我慢できずに聞いてみた。
「キョン、今の人…。」
「幼なじみのねーさんだ。
担任教師に絶賛片思い中のな。」
「あ…そうなんだ。って、べっ別にそこまで聞いてないじゃない!!」
「嘘つけ。興味津々な顔してたぞ。」
「…興味があったわけじゃ…。」
「?」
「…なんでもない。」
あーもう、バッカみたい。
なんでこんなドキドキしなきゃいけないのよ。
…やっぱり恋愛なんて精神病よ。
こんなに馬鹿になるなんて。
…早く解決してやるんだから!
END
バレンタインネタ未満。
少女漫画風味。
個人的にこの子はときメモGS1stの主人公な感じで。
趣味です。